学校図書館を考える全国連絡会2016アピール  

 

 学校図書館は、一人ひとりの子どもの豊かな育ちと学びを支援する教育機関です。 2015年4月より改正学校図書館法が施行されました。ここでは「学校司書」が法律に位置づけられ、学校司書を置くことおよび学校司書の資質向上のための研修の実施が、国と地方公共団体の努力義務となりました。さらに附則第2項には、「国は学校司書の職務の内容が専門的知識及び技能を必要とするものであることに鑑み、(略)学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、(略)必要な措置を講ずるものとする」と明記されています。

 これを踏まえ、文部科学省は2015年8月より「学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議」を開催し、学校司書の資格・養成に関する審議を重ね、「学校図書館のガイドライン」をまとめることとなっています。また、学校図書館議員連盟でも調査研究協力者会議の論議の具体化を図ることが計画にあげられています。

しかし、公立小中学校に学校司書が配置されている自治体は約半数に過ぎず(H27年度文部科学省公表)、その9割近くが非正規という不安定な身分で、勤務日数・時間の制限、複数校兼務、劣悪な待遇など、さまざまに困難な実態があります。また、自治体の教育施策と切り離された外部委託での学校図書館職員配置という深刻な事態は改善される見込みがありません。資格・養成の在り方や研修の内容が重要であることは確かです。しかし、それだけでは現状の問題はまったく解決しません。

 私たちが求めるのは、学校図書館の機能によって保障される、子どもたちの主体的な学びと豊かで自由な読書が、全国のあらゆる地域で実現することです。学校司書は、外部委託や図書館ボランティアではできません。専任・専門・正規の職員として配置され、教職員の一員として教育活動に参画できる体制を構築する施策が必要なのです。

 ここに、国および地方公共団体が、学校図書館に関する施策を一層押し進めることを求めて、以下のように要望いたします。  

・ 国および地方公共団体は、「専任・専門・正規」の学校司書配置のために、

 さらなる予算措置も含め、あらゆる有効な施策を講ずること。

・ 国および地方公共団体は、学校司書の資質向上のための研修を計画的に実施

 し、そのために必要な措置を履行すること。

・ 地方公共団体は、教育活動に寄与する学校司書の仕事を、外部委託や図書館ボ

 ランティアにけっして代行させないこと。また国は、そのことを明確に打ち出す

 こと。                               

                2016年7月9日  

          学校図書館を考える全国連絡会 第20回集会参加者一同

 

全国連絡会は、文部科学省担当課と面談を行い、調査研究協力者会議委員と学校図書館議員連盟役員に要望書と2016年アピールを送付しました。 

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   学校図書館の整備充実に関する審議のまとめ(素案)に関するお願い

        

 日頃より教育及び学校図書館の充実に関心を寄せ、検討を重ねていただいておりますこと 深く感謝申し上げます。

 さて、文科省の「学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議」では現在、「学校図書館の整備充実に関する審議のまとめ(素案)」で示された内容について、活発な審議が行なわれています。しかし、私たちがもっとも懸念を感じる内容が、いまだに十分な審議も無く盛り込まれたままであることが大変に気がかりです。 それは「今後求められる取組について」に挙げられた以下のものです。

○ また、地方公共団体によっては、学校司書を配置する方策として、公共図書館や民間業者から職員を派遣している事例もある。学校図書館法に規定されている学校司書として想定されている者は、学校設置者が雇用する職員である。

教職員が校長の指揮監督下で勤務するのに対して、派遣職員は公共図書館長あるいは派遣会社代表者の指揮監督下で勤務している。派遣職員が学校図書館に適切に携わるためには契約内容を十分に検討し学校等との事前の協議・調整等が十分に行われることが重要である。

 

  私たち学校図書館を考える全国連絡会は、幾つかの自治体で行われている学校図書館運営 の外部委託の事例を学び、その問題の多さに驚き、学校図書館は校長先生のリーダーシップ の下で適切に運営されることが重要であることをずっと訴えてまいりました。7月9日に開きました第20回集会でも、参加者一同の賛同によるアピールに、その点を特に盛り込んでおります。アピールの内容と外部委託の問題点を明確にしている市民のレポートを見ていただき、自治体の責務を安易に放棄することを促すような記述は削除し、下記のように変更をいただくようお願い申し上げます。


○また、地方公共団体によっては、学校司書を配置する方策として、公共図書 館や民間業者から職員を派遣している事例もある。しかし、学校図書館 法に規定されている学校司書として想定されている者は、学校設置者が雇用する職員でなければならない。

主催:学校図書館議員連盟、学校図書館活性化協議会  

 「学校図書館図書整備5ヵ年計画の継続・拡充を求める集い」

   ―新聞、図書、学校司書の充実に向けた第2次行動―    

日時 2016年4月21日(木) 16時半〜17時半    

会場 衆議院第1議員会館多目的ホール   

 

 河村建夫氏(学校図書館議員連盟会長)の挨拶、笠浩史氏(学校図書館議員連盟事務局長)小松親次郎氏(文科省初等中等教育局長)の報告があり、阿刀田高氏の講演が行われた。

 阿刀田氏は、『日本の識字率の高さをもっと誇れるように、その子が持つオリジナリティーを発展させていけるのが学校図書館である。個のクリエイティブを育てるために学校図書館には学校司書が必要である』と発言された。  

 その後、会場からは森田盛行氏(全国SLA理事長)が「国際学校図書館協会2016年東京大会」への参加が呼びかけられ、松井正英氏(学校図書館問題研究会事務局)が学校司書の現状や専門性を発言された。 

 この集会では、学校図書館議員連盟から文科大臣への要望が配付された。学校司書に関する要望内容は「学校司書の配置ならびに時間単価の改善を促進すること」が挙げられている。

文部科学省が学校図書館の充実・学校司書養成等について通知   

 

 2016年11月29日に、文部科学省は各都道府県・指定都市教育委員会教育長、 各都道府県知事等宛に初等中等教育局長名で「学校図書館の整備充実について(通知)」を出した。  

 これは、同省に設置された「学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者 会議」の報告を受けて定めた「学校図書館ガイドライン」「学校司書のモデ ルカリキュラム」を告知し、これを参考に教育委員会や学校等に学校図書館 の整備充実を推奨するものである。

・学校図書館の整備充実について(通知) http://melmaga.mext.go.jp/c/xzQ018q002J5

 

 また、各国公私立大学長・各公私立短期大学長・放送大学学園理事長宛に「学校司書のモデルカリキュラムについて(通知)」を出し、学校司書の養成 等を行う教育機関へ、モデルカリキュラムを踏まえた授業科目開講や履修 証明プログラムの実施などを求めた。

・「学校司書のモデルカリキュラム」について(通知) http://melmaga.mext.go.jp/c/3pF018q002J5

私たちは、すべての学校図書館が整備され、充実し、豊かになることを願って活動しています。全国には、いまだにカギのかかった図書室や茶色く変色した本でうまった図書室もあります。専任・専門・正規の学校司書が働く図書館はまだまだほんのわずかにすぎません。

 

各地で活動する人たちが、あせらずゆっくり、お互いの運動の成果や課題を共有し、運動の輪を広げていかれることを願っています。

 

 

 

私たちは、すべての学校図書館が整備され、充実し、豊かになることを願って活動しています。全国には、いまだにカギのかかった図書室や茶色く変色した本でうまった図書室もあります。専任・専門・正規の学校司書が働く図書館はまだまだほんのわずかにすぎません。

 

各地で活動する人たちが、あせらずゆっくり、お互いの運動の成果や課題を共有し、運動の輪を広げていかれることを願っています。

 


 

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