学校図書館を考える全国連絡会 2018年アピール
学校司書の配置を実効あるものに
学校教育と学校図書館のさらなる充実を!!
学校図書館は学校に設置された「図書館」であり、一人ひとりの子どもの豊かな学びと育ち、自由な読書を支援します。教師の教材研究や創意ある授業にも大きな役割を果たします。近年わが国では、子どもの貧困や子どもが育つ環境の格差に多くの人々が関心を寄せるようになり、また読むことに困難を抱える子どもたちの存在にも目を向けるようになってきました。こうしたさまざまな困難を抱える子どもたちに、学ぶ権利と喜びを保障するのもまた学校図書館です。
学校図書館は単なる場所ではなく、日常的に機能していることが肝要であり、そのためには学校司書の配置は欠かせません。 2014年の改正学校図書館法により学校司書は法律に位置づけられました。しかし、小中学校の学校司書は増加しているものの非正規職員の割合がきわめて高く、採用要件等も自治体によって大きな差があります。せっかく配置されても学校司書としての職務を果たせない条件のところが少なくないのが現状です。 学校司書が十分なはたらきができるためには、1校に専任で配置され、学校設置者の直接雇用で学校の教職員の一員として位置づけられるとともに、専門的な知識と技量があり研修も保障されることが重要です。さらには職務の継続性と専門性に鑑み正規職員であることが必須の条件と言えます。 学校司書の配置が努力義務に留まっていること、同法第6条の「専ら」が明確ではないこと、資格要件や研修、養成について等、検討を要することがらが多くあります。 改正学校図書館法成立時の課題は残されたままです。
ここに、私たちは国と自治体に求めます。
学校図書館職員の現状を引き続き調査し、明らかにするとともに、学校司書の身分、勤務条件の整備など、学校図書館のさらなる充実に向けた取組みと予算措置を講ずることを。
私たちはこれからも、全国各地の長年にわたるこれまでの学校図書館づくりの積み重ねをさらに前進させることができるよう、各地で活動する人たちと互いの運動の成果や課題を共有し、学び合い、運動の輪を広げていきます。
2018年7月14日 学校図書館を考える全国連絡会 第22回集会参加者一同