学校図書館を考える会・静岡(2020)
2020年6月12日、静岡市教育センターHPに「静岡市学校図書館活用ガイド
ライン」がアップされた。2018年度の総合教育会議のプロジェクトチームや学
校図書館支援室などのメンバーで作成された60ページ余りにおよぶもので、市
内すべての教師と学校司書に向けたガイドラインとなる。今年度は、学校図書館
支援室に専任室長が配置され、学校司書の勤務時間の5時間化やガイドライン、
それに伴う予算の前年度比20%増額と、総合教育会議の一連の施策が本格的に
スタートしている。
ガイドラインについては課題がないわけではないが、誠実に作成いただけた
と感じている。今は一斉休校からの再開で、学校は子ども達の心身のケアと学
力の保障が何よりも大切な時なので、各校の図書館に充実施策がいかに反映さ
れるのかを長い目でみていきたいと思う。
●静岡市令和2年度当初予算
https://www.city.shizuoka.lg.jp/492_000135.html
「令和2年度当初予算(案)の概要」から「重点事業の概要」P.217に学校図
書館予算が掲載されている。
●静岡市教育センター(ガイドライン)
https://www.center.shizuoka.ednet.jp/
豊中図書館の未来を考える会(2017)
「豊中図書館の未来を考える会」では以下の概要の要望書を教育長に提出します。
学校図書館の機能と環境の両面において、学校間格差を無くし豊中市のすべての子どもたちがどこの学校にいても、確かな学力が身につくよう以下の課題を解決してください。
1. 教育委員会は学校図書館の重要性と取り組む意欲を、全学校の管理職及び 市長部局に伝えてください。
2.学校司書の専門性が継続的に構築できるよう正規化に取り組んでください。
3. 学校図書館におけるメデイアリテラシー教育の充実にむけて支援を行ってください。
<学校図書館法改正を受けてと思われる変化など> 豊中市は今のところ影響を受けていませんが、大阪府、近畿圏では安易な人の配置が広がって学校図書館本来の機能が作りにくい状況です。いずれ影響が及んでくるのではないかと危機感をつのらせています。
学校図書館を育てる吹田市民の会(2019)
昨年度実現した、読書活動支援者(臨時職員)の小学校36校への全校専任配置は、今年度も継続できています。勤務時間は、9:45~16:30、週5日30時間です。 中学校18校は、2校兼務(隔週勤務)で10:30~15:00、週5日20時間。 昨年度からは3人の入れ替えがありました。公募の資格要件は、「司書か、司書教諭の資格を持つ人」です。
蔵書に関しては、学校図書館図書標準達成率100%をほぼ達成したことにより、資料費が、若干の増減はあるものの総じて減っています。
当面の課題は、中学校の1校専任配置化、資料費増(新聞や雑誌の配備を含む)、研修増や読書活動支援者連絡会の開催など。
夏休みや冬休みの間は勤務がなく、夏の1か月間は健康保険の切り替えなどの問題もあります。 会計年度任用職員制度に移行することで、正職への道がさらに遠のくことにならないか心配です。
毎年、会として要望書を提出したり、教育委員会の担当者と懇談会を持ったりしています。担当者が毎年のように交代するので、一からの積み重ねとなり、やりにくいです。教育委員会として、もっとしっかりした体制を作ってほしいです。
読書活動支援者は、有志で月1回土曜日に勉強会を持つなど、熱心な人が多いです。勉強会に出てこられない支援者が、一人職場でうまく学校図書館を運営できているのか懸念もあります。
考えよか志摩の図書館(2018)
志摩市の学校図書館に学校司書を配置の市長要望をした。市長面談の後、市教委が、三重県でもっとも進んだ活動をしている多気町の学校図書館を視察に行ったそうだ。
多気町は町内小中学校7校すべてに、臨時職員だがフルタイムの学校司書を専任で配置している。各校に一人ずつ学校司書が配置されていることがどんなに素晴らしいかを見て、その結果、市教委は志摩市小中学校13校に、多気町と同様の配置を目指し13名の臨時学校司書を予算要望してくれた。しかし学校司書配置の必要性は理解を得ることが難しかったようで財政難を理由に最終的には3名に削減されてしまった。その結果、2018年3月末に3名が採用され、市内の小学校7校に、各校週2日(1校のみ3日)勤務する学校司書が配置された。一人で2校または3校の勤務形態。臨時的任用職員の待遇であり、長期休業中は勤務がなく、1年更新だが継続させていくとのことだった。
今回採用された3人は司書資格を持ち、小学校図書館ボランティアや公共図書館司書の経験者もおり、たまたま3人とも会のメンバーとなった。市教委は次年度以降も予算要望を続けて、中学校への配置を目指すとのことだった。「考えよか志摩の図書館」では、2月11日に、市民や市議会議員を対象に、学校司書の役割や学校図書館への理解を広めようと学習会を開催した。「志摩の子どもと本をつなごう」というテーマで、27名の参加があった。
本があって人がいる学校図書館を願う会・香川(2019)
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1997年、岡山県倉敷市で開催された「学校図書館に人を置こう全国の運動を語り合う集い97」への参加を機に、会を発足、高山智津子さんを招いて第1回「学校図書館を考えるつどい」を開催。以降、毎年講師を招いて20年間「つどい」を開催してきた(講師陣は、塩見昇さん・広瀬恒子さん・梅本恵さん・五十嵐絹子さんなど)。
1999年からは、市長・教育長に要望書を提出、教育委員会学校教育課と年3回懇談を行っている。2013年には「ニュース」を創刊、高松市はもちろん、全国の学校図書館に関する情報や、学校司書自身が書く「学校図書館訪問」などを掲載し、現在14号まで発行している。
1996年に2名の学校司書が配置されて以来、2015年まではほぼ毎年増員され、現在は62名の学校司書が市内70校の全小・中学校に配置されている。専任は55校、8名が兼任で、週5日・1日6時間勤務で、月給制である。資格要件は、教員免許または図書館司書資格を有するものとされている。実際の呼称は「学校図書館指導員」で、毎年「学校司書に変更を!」と要望しているものの、変更されていない。
学校図書館を考える会・丸亀(2019)
丸亀市立小中学校の学校図書館は、平成26年度から、学校司書が、全20校で1人1校専任になった(島嶼部3校は、1人が兼務)。*1日7.5時間、勤務日は、授業日数+数日。
毎年、「小・中学校図書館の充実について」教育委員会に要望書を提出し、研修の充実についても懇談を重ねてきた。今まで、五十嵐絹子氏や藤田利江氏を招いて研修を共催したこともある。
昨年度、市教委主催で、加藤容子氏(津山市立北陵中学校 学校司書)の研修が行われた。キャリアのある学校司書の実践から学ぶ有意義な機会となり好評だった。今年度も岡山市の学校司書の研修が実施される予定。
学校図書館を考える会・やまぐち(2019)
2013年5月発足。
県内小・中学校の学校司書配置は13市6町全体にまで広がったが、一部を除きほとんど複数校兼務で全員非正規職員に変化はない。県立高校図書館は事務職員が兼務しているが、県教育委員会から各県立高校長宛の文書で、職務のうち学校図書館業務が50%以上占めれば学校司書に該当すると、専門的な知識や技能を無視した著しく問題の内容が通知されて、学校司書配置率は94.2%にまで水増しされ、うち司書資格者は4人のみという惨状である。
当会はこのような現状を踏まえ、昨年10月末に県教委に対し学校図書館の整備充実を求めて4回目の要請活動を実施したが進展は無し。また、今年1月にパブリックコメントへの意見を提出した「山口県子ども読書活動推進計画(第4次計画)」が3月末に公表されたが、県教委の方針は従来どおりの現状維持で変わらず、今後5年間の計画かと愕然とせざるを得ない。
ともかく、小・中・高等学校図書館の前進を図れるよう活動を進めていく予定でいる。
沖縄(2019)
沖縄県内の学校司書の採用試験実施状況について
沖縄県では、県立高校だけでなく、小中学校においても多くの地域で学校司
書が配置されてきた経緯がある。様々な事情により、県全体の学校司書の正規職員の比率は低下してきているが、県立高校については、26年間の採用停止の後、2011年度に採用試験が復活し、その後「若干名」の募集枠の下、「退職者補充」という形で毎年、1名~3名程度が採用されてきた。
2018年度に実施された試験でも、当初は「若干名」という募集だったので、3名程度の採用かと思われたが、一次試験合格者が19名、二次試験合格者が13名、その後採用辞退もあったとのことで、最終的に配属されたのは10名となり、県内の図書館関係者の間でこの二桁の採用者数は大きな話題になった。そして2019年度実施試験では募集要項段階で「6名」と明記されている。
2018年度の県立高校の司書退職者は4名、うち2名は再雇用と聞いているので、退職者数よりも多く採用したということからは「学校司書の正規化」という方針が打ち出されたようにも思われる。ただし、大量採用があったということは、非正規雇用の方々が退職したということでもある。現在も県立高校では非正規職員の比率は6割近くに上っている。この中には、26年間の採用停止期間に採用試験を受験する機会すらなかった方々もおられる。「正規化」という方針は歓迎しつつ、全国のネットワークの力もお借りして、採用試験の年限の撤廃なども求めていければと思っている。