6月に衆議院法制局より「学校図書館法の一部を改正する法律案(仮称)骨子案」が示されてから、全国連絡会世話人会では幾度となく論議・検討した上で要望書をまとめ、それを「子どもの未来を考える議員連盟」など関係する国会議員に手渡してきました。
それには、このまま黙っていてもこの骨子案が通ってしまう可能性が非常に大きいこと、今回ははじめから学校図書館法のみの改正しか考えられていないこと、財政措置はあくまで地方交付税措置であること、などの理由があります。これらいくつかの制約内での改正であることを考えると、もとより「専任・専門・正規」を諦めるわけではありませんが、現時点では少しでもこれからの運動の拠り所になる文言を盛り込んだ法改正にしてもらう必要があると判断しました。まずは同じ土俵に乗って、関係する議員に少しでも具体的な要望を示したいと考えます。
賛同できる会は、ぜひ「お問い合わせ」からメッセージとしてお送りください。お待ちしています。
2014年3月末までに以下の団体から賛同を頂いております。ありがとうございます
親子読書地域文庫全国連絡会
日本親子読書センター
日本子どもの本研究会
北海道子どもの本連絡会
旭川の学校図書館を考える会
学校図書館を考える会・みやぎ
北本子ども文庫連絡会
学校図書館・虹の会・所沢
越谷市学校図書館を考える会
学校図書館を考える会・春日部
学校図書館を考える会・横浜
生きた学校図書館をめざす会 川崎
足立の学校図書館を考える会
世田谷の図書館を考える会
学校図書館を考える会 ねりま
八王子に学校図書館を育てる会
町田の学校図書館を考える会
狛江の学校図書館を考える会
くにたちの学校図書館を考える会
富山県図書館を考える会
石川・学校図書館を考える会
金沢に豊かな学校図書館を願うボランティアネットワーク
本があって人がいる学校図書館を願う会・香川
学校図書館を考える会・周南
学校図書館を考える会・安来
学校図書館を考える会・ねやがわ(大阪)
学校図書館を考える会・高知
学校図書館を考える会・西東京
学校図書館を考える会・東久留米
いきいき学校図書館の会(宝塚市)
掛川市子どもの読書活動を考える会
子どもの読書環境を豊かにする会(いわき市)
図書館とまちづくり・奈良県
学校司書法制化に関する要望
学校図書館を考える全国連絡会
日頃より子どもの読書活動推進、なかんずく学校図書館の整備充実と発展のためのご尽力に深くお礼申し上げます。今回特に、学校図書館活性化協議会が学校図書館の発展にとって鍵となる学校司書の法的位置づけを目指す学校図書館法の改正をご提案くださったことに、強く期待をよせるものです。
法的根拠はありませんでしたが、長年にわたる現場の要請と実践の蓄積、市民運動の高まり、そして自治体の英断・努力によって学校司書配置は進んできました。しかし、その結果、全国には実にさまざまな雇用形態・職務内容・資格・呼称の「学校司書」が存在しています。また高校では一般に正規雇用の学校司書が多いのに比して、義務教育課程の小中学校では非正規雇用が大半を占めるという残念な現状です。こうした現状では、せっかく学校司書が配置されても、学校図書館のはたらきを十分につくりだすことが困難であるばかりか、義務教育における自治体間の格差を生むという大きな問題をはらんでいます。
このような現状をふまえれば、法改正によって学校司書の身分を保障することこそが、豊かで充実した学校図書館を基にした新しい教育の実現への第一歩であると、私たちは確信し、切に願うものです。
学校図書館を考える全国連絡会ではこの問題を最重要課題ととらえ、8月に緊急集会を開いて広く市民や現場の声を集めました。議論は多岐にわたり、なおかつ熱いものとなりました。これら学校図書館で働く多種多様な人々の思いと、そこに期待するさまざまな地域の市民の願いを一つに束ね、法改正に実質的に関わる議員・行政の方々にお届けするのが、全国連絡会の使命であると考えます。
ぜひとも今回の法改正を、可能な限り多くの方々の意を汲む真性の「改正」とするべく、私たちの要望をお聞きくださいますよう、こころからお願い申し上げます。
法改正に盛り込んでほしい項目・考慮してほしい点
* 学校司書の専門性を認め、学校司書がその専門性を遺憾なく発揮できるような職務内容とすること。
注:学校図書館の運営を主体的に担うのが学校司書であると認識します。その専門性は、図書館情報学を基礎に、資料と資料提供の専門家として蔵書を構成し、利用者の「知りたい」「読みたい」要望に応え、子どもたちの知的自由を守ることに発揮されます。
* 学校司書の専門性をさらに高めるため、学校司書の資格要件を早急に検討し、養成課程の確立を図ること。
注:現行では「司書」資格しか該当するものがありませんが、これでは不十分と考えます。
* 学校司書の学校図書館業務専任を謳い、兼務ではなく1校1人専任を規定すること。
注:現状では、専任とは名ばかりの、事務職との兼任であったり、1人で2〜3校掛け持ちという形態が少なくありません。
* 正規雇用がもっとも望ましく、可能な限りそれに近い雇用形態になるよう、自治体に求める文言を入れること。同時に国が、学校司書のための人件費補助制度の新設など、必要な財政上の措置を講じること。
注:専門性を保障するには、それに応じた身分保障が必須条件なのは明白です。
以上
学校司書法制化 いよいよ
「子どもの未来を考える議員連盟」総会にて
衆議院法制局から学校図書館法の一部を改正する法律案(仮称)骨子案が提示。
第17回集会、無事終わりました
年一回の集会及び総会は以下の通り、とどこおりなく終わりました。ご参加の皆様、ありがとうございました。なお秋を目処に記録誌を発行します。
日時 6月22日(土)10時〜
場所 日本図書館協会2階研修室
参加費500円
記念講演 10時半から
「学校図書館の教育思想:図書館の自由から考える」
中村百合子 氏
(立教大学文学部准教授)
実践報告 13時半から
「わかるっておもしろい」を支える学校図書館をめざして
市川詔子 氏
(旭川の学校図書館を考える会代表)
各地の報告・意見交流 15時から
2013年アピール
すべての学校図書館に専任・専門・正規の学校司書の配置を
学校図書館は、一人ひとりの子どもの豊かな育ちと学びを支援していく教育の場です。その重要な役割を実現するため、長年にわたって各地で多様な実践が取り組まれてきました。
新学習指導要領では、「生きる力」をはぐくむという理念のもと、思考力・判断力・表現力の育成と言語活動が重視されるようになり、学校図書館が教育の中核として明確に位置づけられています。学校図書館に関わる専門の教職員が担う役割は、今までになく重要なものと認識されるようになっています。
1997年の学校図書館法一部改正により12学級以上の小・中学校には司書教諭が発令されましたが、ほとんどの司書教諭は学級や教科を担当しながらの兼務の状態であり、授業時間の軽減もなく、その職責を十分に果たすことができないのが実情です。
こうしたなか、またそれ以前から、それぞれの地域では保護者・市民の要求に応えて、学校図書館に自治体独自の学校司書が配置されてきました。しかし正規採用は極めて少なく、多くは臨時的雇用の不安定な身分で、勤務時間の制約や複数校担当、さらには雇い止めなど、とても専門的な職務を継続するには困難な状況です。
こうした厳しい現状を踏まえた上で、昨年度より文部科学省による「学校図書館整備」施策、とりわけ初めてとなる学校司書配置のための地方交付税・単年度150億円が措置されました。これは、これまでの運動のひとつの成果の表れと見ることができます。そしてさらに、学校司書法制化を目指しての具体案が国会議員の間でも論議されるようになってきました。
私たちは、現実味を帯び始めた学校司書法制化の行方を冷静に見据えながらも、現状を改善し、一刻も早い理想的な学校図書館の実現を求めて、この集会において以下のことをアピールいたします。
1. すべての学校図書館に、専任・専門・正規の学校司書の配置を求めます。
2. 司書教諭の授業時数軽減、及び11学級以下の学校にも司書教諭の発令を求めます。
3. 学校図書館の蔵書充実と、学校図書館支援のための公共図書館資料費の確保、資料搬送を含めたネットワークづくりを望みます。
4. 学校図書館を含め教育に、国及び自治体の十分な予算措置を求めます。
以上
2013年6月22日
学校図書館を考える全国連絡会
第17回集会参加者一同
学校図書館法改正をめざす国民の集い
公益財団法人文字・活字文化推進機構より以下のような集いの案内が出ている。
12日までの事前申込が必要。
とき 3月18日(火) 14時から15時半
ところ 衆議院第一議員会館 B1大会議室
主催 子どもの未来を考える議員連盟ほか